北広島かおり幼稚園 新園舎 認定こども園

北広島市にある既存幼稚園に併設される新築園舎です。既存幼稚園は長い歴史がありますが、幼保連携認定こども園への移行に伴い、0,1,2歳児用の専用園舎を計画しました。計画において目指したのは以下の点です。

1.既存園舎との連続性と新しい表現による外観デザイン。

2.住宅の様な落ち着いた内部環境を支える素材と色。

3.専門家を交えた保育ゾーンの最適化と動線計画。

4.北海道の次世代断熱基準と自然光、自然換気を意識した建築性能とサポートする設備計画。

 

1.既存園舎との連続性と新しい表現による外観デザイン。

本計画に当っては、既存園舎の魅力を損なうことなく、一体で愛されるデザインを考えました。既存園舎は内部のダイナミックな吹抜けとそれを形づくっている大きな三角屋根を持つシンボリックな建築ですが、新園舎は既存園舎へつながる導入部としてのしつらえを意識しました。  新園舎で先ず目に飛び込むのはアプローチに突き出した楕円屋根から始まり、建物の間口いっぱいに広がるエントランス部分の大屋根です。  既存園舎の円形エントランスと呼応するような形状としながらも、動きがある楕円を採用することで、相乗の中にも躍動感を持たせました。  大屋根の下は[みんなの広場]と名付けた半外部空間とすることで、天候に左右されない守られた空間とし、そこに使われる壁・天井材は木素材の柔らかさと、自然な色あいにし、その中には開口部と本棚をイメージしたニッチの小口に虹色のアクセントを配しています。

2.住宅の様な落ち着いた内部環境を支える素材と色。

内部の環境で意識したのは、“いつもの住宅に居るような心地よさ”を如何に体現してもらうことが出来るかということでした。  [見える]風景としては、材質の柔らかな雰囲気、光の穏やかさといったことに注力しまし、 [触れる]材料については、柔らかく、温かみのあることに主眼を置きました。  床材はカバ材の自然塗料仕上げとし、裸足が気持ち良い柔らかい質感を大切にしました。  腰壁のシナ材は自然で柔らかい表情としながら、横目地による水平感を出すことで安定した感じを出しています。 各保育室は庇でコントロールされた明るい自然光が空間を包み、多目的ホールは柔らかい間接光が天から差し込み、荘厳かつ和やかな環境づくりに寄与しています。

3.専門家を交えた保育ゾーンの最適化と動線計画。

内部計画では専門家からの提案により、先ず各年齢における最適な保育室の環境を考え、それに合わせてトイレ、多目的ホールを機能的な回遊動線で結びつけるという練られたプランニングを実現することで、保育士の機能的な動線と安定的な保育環境を実現しています。

4.北海道の次世代断熱基準と自然光、自然換気を意識した建築性能とサポートする設備計画。

計画当初は近年の札幌版次世代住宅の省エネルギー基準をベンチマークに置きながら、ZEBの基準を満たすというダブルスタンダードを掲げて温熱環境をスタートさせました。 建築本体はUA値を0.2程度をイメージしながら設計し、1次エネルギー消費は主に熱交換とヒートポンプを採用することで、BEIを0.86とすることが出来ました。  また、南面では十分な深さの庇を設けたり、開口部の位置や奥行きを調整することで、直射による冷房負荷の低減をしながら、大開口窓にはトリプルガラスを採用し暖房負荷を軽減するなど、開口部を機能とデザインをが融合するようにしました。  加えて、住宅でも積極的に行っているパッシブ換気を保育室を中心に計画し、気候の良い春と秋での自然換気が出来るようにすることで、建物全体としての環境負荷をコストに見合った内容で低減できるような配慮をしています。

より良い幼児環境を確保することが北広島市とその周辺地区でも急務になっております。当施設が北広島市、そして地域の財産となるように願っております。

子ども目線ドローン撮影動画(クリックでダウンロードできます)→ かおり幼稚園 内部動画


  • 既存園舎の魅力を損なうことなく、一体で愛されるデザインを考えました。

  • 既存園舎の円形エントランスと呼応するような形状としながらも、動きがある楕円を採用することで、相乗の中にも躍動感を持たせました。

  • 大屋根の下は[みんなの広場]と名付けた半外部空間とすることで、天候に左右されない守られた空間とし、そこに使われる壁・天井材は木素材の柔らかさと、自然な色あいにしています

  • 新園舎で先ず目に飛び込むのはアプローチに突き出した楕円屋根から始まり、建物の間口いっぱいに広がるエントランス部分の大屋根です。

  • 開口部と本棚をイメージしたニッチの小口に虹色のアクセントを配しています。

  • 内部の環境で意識したのは、“いつもの住宅に居るような心地よさ”を如何に体現してもらうことが出来るかということでした。 

  •  [見える]風景としては、材質の柔らかな雰囲気、光の穏やかさといったことに注力しました

  • [触れる]材料については、柔らかく、温かみのあることに主眼を置きました。

  • エントランスレリーフは伊賀信氏のデザイン。製作は旭川家具の(株)コサインが担当。

  • 腰壁のシナ材は自然で柔らかい表情としながら、横目地による水平感を出すことで安定した感じを出しています。

  • 多目的ホールは柔らかい間接光が天から差し込み、荘厳かつ和やかな環境づくりに寄与しています。

  • 床材はカバ材の自然塗料仕上げとし、裸足が気持ち良い柔らかい質感を大切にしました。

  • 内部計画では専門家からの提案により、先ず各年齢における最適な保育室の環境を考え、それに合わせてトイレ、多目的ホールを機能的な回遊動線で結びつけるという練られたプランニングを実現することで、保育士の機能的な動線と安定的な保育環境を実現しています。

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