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下見天井の家 札幌版次世代省エネルギートップランナー基準の家
設計のポイントは以下です
01.将来を見越し、
02.日照、熱ロス、換気、視線、
03.集う空間は下見板張り天井を採用。木の温かみと刻々と表情の変わる陰影の面白さを楽しめるデザイン。
01.将来を見越し、
この住宅は敷地内にある既存建物とのより良い関係を検討するため、ヴォリューム模型を使いながら配置と建物形状をシュミレーションを行いました。
既存建物のリビングに入る景観と日照を考慮した結果、新築建物は2階部分はセットバックさせることで十分な日照を確保することを目指しています。
将来、1階での生活がメインになるというライフスタイルの変化を考え、その内容をしっかりと受け止めたプランニングをしながら、様々なアイディアを具現化しています。
諸室のレイアウトもさることながら、リビングに連続した和室は小上がりとしていますが、床を可変できる構成ですので、将来の身体状況に応じてリビングとフラットにすることも出来ます。
02.日照、熱ロス、換気、視線、
建物を最先端の高断熱仕様にするときは、熱の影響を受けやすい窓のデザインは非常に重要な要素になります。
また、周辺建物の目線などの「閉じる要素」と良い景観を見たいという「開く要素」を考えるときにも窓の大きさや取り付け位置は非常に大事です。
この住宅では南面と西面に深い庇を設けることで、夏の日射から開口部を守る構成としています。
加えて、窓の取り付け位置は、通常の高さよりもやや高めにし、形状もなるべく細長い矩形とすることで、カーテンなしでも近隣の視線から守られる構成です。
更に、換気用ハイサイド窓と通風を考えた窓レイアウトのおかげで、パッシブ換気の効果が十分に発揮されるため、結果的にコロナ対策にも効果があると考えています。
03.集う空間は下見板張り天井を採用。
札幌版次世代省エネルギー基準をクリアするために、壁は300mm、天井は460mmの断熱材を使用していますが、これだけの断熱材の厚さを収めるためには天井裏空間のほとんどが断熱材が充填されることになり、木造建築の良さである梁や野地板といった木構造体の表しが難しくなります。
今回はそのような木構造の雰囲気を感じることが出来るような木板張天井を家族が集まるところに採用し、板張りパターンを下見板とすることで、日中は日の光による陰影、夜は照明器具による陰影といったように時間の経過と奥行き感を楽しめる天井が出来ました。
夜の高窓から見える下見天井は、それだけで面白い表情と温かみを感じさせてくれています。
青空に映える、伸びやかで気持ちの良い住宅が出来たと思っています。
- 西側外観 伸びやかな庇
- 庇と壁で切り取られた部分は板張りとした
- リビング 下見板天井
- リビング 床はナラ染色仕上
- リビングから和室を見る
- 和室 小上がりを見る
- 小上がり下収納
- 家事ワークスペース
- 家事ワークスペース
- 玄関と続くスキーメンテナンスルーム
- 階段から2階フリースペース
- 2階フリースペース 窓から山の風景が見える
- 諸室
- UT 洗面化粧台と組み合わせて
- UT 水回り収納たっぷり
- トイレ